スープはじっくりコトコト、お腹が空く小説「スープ・オペラ」
今週のお題「読書の秋」
こんにちは、鈴木くんです。
色々ありまして久々の投稿です。
(まだ見てくれている人はいるのかな・・・)
最近電車で長距離移動をすることがありまして、以前読んだ本を読み返したりしていました。
その中で久々に読んで、あーいいなーってなったのが、「スープ・オペラ」。
映画にもなっているようで(見たことはありませんが)、公開時には作中に出てくるスープが実際のお店でメニューとして出されたこともあったそうです。
背伸びして読んでみた高校3年生の冬
僕が初めてスープ・オペラを読んだのは、高校卒業を間近に控えた頃でした。
大学受験の帰りになんとなく寄った本屋でなんとなく買った一冊です。
「大学生になるし、読書を趣味にしたら賢そう!」ぐらいの感覚で読み始めました。
(趣味として定着することはありませんでしたが)
食がテーマの小説に初めてハマった
スープ・オペラのキモになるテーマは、タイトル通り「スープ」です。
主人公の叔母・トバちゃんが作ってくれた思い出の鶏がらスープを筆頭に思い思いのスープが登場します。
そしてそのスープを引き立てるように食卓に並ぶ料理の数々。
どれも文字を読んでるだけなのに美味しそうに感じます。
僕がこの本を好きなのは、料理の描写が細かく、かつ人間味があるので、登場する料理に対して感情移入できるところ。
この本をきっかけに料理を見たり聴いたりするのが好きになりました。
(大学生の頃、一時期3分クッキングを毎日見ていました。)
ちなみに、大学生の時に見よう見まねで鶏がらスープを作ってみましたが、生臭くなり上手くいきませんでした。
料理って難しいですねー・・・
「思い出の料理」を創りたくなる本
主人公のルイにとって、トバちゃんの鶏がらスープはいつまでもぶれない思い出の料理。
鶏がらスープを中心にルイは形成されて、ルイを中心に色んな登場人物が形成されていくような気がします。
僕はルイにとってのスープのように、自分を形成してきたような思い出の料理みたいなものが思いつかないので、ルイが羨ましく思えます。
それと同時に、スープ・オペラを読むことでそんな料理を新しく創りたいという気持ちにもなります。
読書の秋であり食欲の秋でもあるこれからの時期に、スープ・オペラがぴったりな気がしてくる鈴木くんでした。