家族に会いたくなる漫画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」
僕は家族が亡くなるとかの、家族絡みの悲しい系の話にめっぽう弱いです。
親が高齢になってきてるからとか、遠距離にいてなかなか会う機会がないとか理由は色々ですが、妙に感情移入してしまいます。
実家に帰るたびに、あと何回会うことができるのかを考えることもあります。
そんな僕がたまたまネットで見つけて突き刺さったのが、宮川さとしさんが書いた「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」でした。
この漫画は、お母さんが末期ガンと診断されてから亡くなって以降の日常や本人の感情を描いた作品です。
お母さんの温かみと、そのお母さんが亡くなってからの宮川さんのリアルな心情が詰め込まれています。
大げさだけど、大げさじゃない気がする
タイトルを見た時、とても大げさだと感じました。
遺骨を食べたいなんて、危ない人とすら思いました。
でもきっと、当事者からしたらそれほどのことなんですよね。
関係が深ければ深いほど。
そう思うと、一読者でしかないながらも、大げさでもないように思えてきます。
自分の母親は死なないものだと思っていた
作者の宮川さんは、そう思っていたそうです。
でも多分この感覚って、少なからず持っている気がします。
もしかしたら、他にもそんな人がいるんじゃないでしょうか。
高校時代の同級生が去年事故で亡くなりましたが、身近な人の死って現実味がなくて受け入れている気がしないんです。
そもそも、そんな身近な人がこの世からいなくなるなんて考えたこともないわけで。
ましてや家族なんて、「年をくってる」ことがわかっても「いなくなる」なんてことはリアルに考えたことがないです。
お盆や年末年始に実家に帰ればちゃんと両親はいるわけで、一緒にご飯を食べたり出かけたりするわけです。
そこを疑う余地なんてないんです。
少なくとも今のうちは。
何かあってからじゃ遅いかもしれない
作者のお母さんは末期ガンになっています。
同じ境遇にある人が多数を占めるわけではないと思いますが、病気などで体調を崩してからでは、元通りの状態には戻れないかもしれません。
「何かあったときに会いに行こう」では遅いんじゃないかと、この漫画は教えてくれている気がします。
「いつでも会える」はそのうち都市伝説になる
僕はお盆と年末年始は必ず埼玉に帰っています。
「今でなくても会える」と思って旅行に使おうかとも考えますが、同時に「会える回数は限られている」という観念がついてまわるので、なんだかんだ実家で過ごしてます。
一人暮らしなどで親から離れている人の中には、同じように「いつでも会えるから」と考えている人もいるかと思います。
でもこの漫画は、「やっぱり今会いに行かねば!」という気にさせてくれます。
そのために読むものでもないとは思いますが、ぜひ一度読んで、家族の存在について考えてみてはいかがでしょうか。